新井碧・朝長弘人(Midori Arai, Hiroto Tomonaga)2人展「絵の律」

この度、biscuit gallery karuizawaでは2023年9月16日(土)より、新井碧と朝長弘人による2人展「絵の律」を開催致します。

新井碧と朝長弘人の2人は、抽象的な画面を特徴とする絵画を主に制作しています。
「絵を描くということは、臓器が身体の機能として決められた運動に則りはたらくことに近い」という考えのもと、両氏は本展を『絵の律』と題しました。

本2人展はbiscuit gallery karuizawa(軽井沢)にて開催されます。
新井、朝長の作品が織りなす魅力溢れる世界をご堪能ください。

会期初日の9月16日(土)に、作家在廊予定です。

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朝長は対象物の中に相互に関係しあう諸要素を見出し、それを筆触で確かめるかのように絵を描いている。
自分が目で捉えた関係と画面上での絵具のあり方をそろえる。そのためにどういったコンポジションと筆触、
色彩を選ぶべきか、彼の中で緻密なふるいにかけられている印象である。

同時に新しい奥行きの表現にも挑戦しているが、より厳密に言えば、
視覚で捉えた手触りを絵画に再現しようとする取り組みは、
新しい奥行きの開発が必然的に伴っていくのではないだろうか。
三次元の構成要素(縦・横・高さ)から成り立つ空間というものに、
触覚という身体的な連続性を内包するものを加えて、それらを二次元的に捉えるという取り組みにおいて、
奥行きを示唆させつつ同一平面上に要素を据え、

それらを共存させるという彼の描き方は、ひとつの有効な手段である。

そういった彼の作品は、まるで自然に溶け込むような、あるいは血の通った絵だと思う。
人のエゴのようなものが透明になり、身体に動かされる仕組みというものは、
草木や樹木が土に育まれ芽吹き伸びゆくような、自然の循環の一部を、
そのあるがままを体現しているようである。
(新井)
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新井の絵を初めて見た時、どのように絵に手を入れていくのか気になった。
聞くと、絵の中での序列がなくなるよう、前の仕事を消すように絵の具を重ねたり、
あるいは絵具を削るように鉛筆やパステルで線を描き足したり、
レイヤーの構造をあえて読みにくくするような操作をしていると言う。
それにより、画面全体に浮遊するような効果が与えられている。
新井作品にはよく「無意識」という言葉が添えられるが、それを描く手にはある規則性があるのが興味深かった。
それはルールというほど固いものではなく、体内の臓器があらかじめ決まった動きを繰り返すようなものだろう
それこそ無意識に近いルールという、一見矛盾したものが存在する。

我々は生活したり審美したりする中で仕組みを作り、作ったことを半分忘れながらそれに導かれて手を動かす。

身体は仕組みを知っている。絵を描くことは、すでにあるそれを取り出していくことに近い。
取り出した(思い出した)ものが画面に十分に散りばめられた時が、筆を置くタイミングである。
(朝長)
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展示風景

 

アーティストプロフィール

新井碧|Midori Arai

1992年 茨城県生まれ
2015年 東京造形大学 造形学部美術学科 絵画専攻 卒業
2022年 京都芸術大学 修士課程 芸術研究科 美術工芸領域 油画専攻 修了

主な展示歴(近年)
個展
2023
「持続する線」FOAM CONTEMPORARY, 東京
2022
「まばたきのシノニム」biscuit gallery, 東京

グループ展
2023
「間 そうぞうのよはく」graf porch, 大阪
「ART FAIR TOKYO 2023」東京国際フォーラム, 東京
「grid2」biscuit gallery, 東京
2022
「Centre-Emptyー中空の行方ー」(Art Collaboration Kyoto 連携プログラム) 建仁寺両足院, 京都
「次風景-Post Landscape-」ASTER, 金沢
Meet Your Art Festival Art Fair, 東京
biscuit gallery first anniversary exhibition「grid」biscuit gallery, 東京

詳細プロフィール:https://biscuitgallery.com/midori-arai/

 

朝長弘人|Hiroto Tomonaga

1997年 佐賀県生まれ
2020年 武蔵野美術大学造形学部油絵学科油絵専攻卒業
2022年 武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了

主な展示歴(近年)
個展
2023
「変光景」KOSAKU KANECHIKA, 東京
2022
「つり合い」gallery 美の舎, 東京

グループ展
2022
「FACE2022」SOMPO美術館, 東京
「CHANGTING GALLERY PRIZE 2022」⻑亭 gallery, 東京

 

開催概要

新井碧・朝長弘人 2人展
「絵の律」

会期:2023年9月16日(土)〜10月15日(日)
時間:12:00〜18:00 ※火・水休み
入場:無料
主催:biscuit gallery karuizawa

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